2019年 06月 21日
音楽院の仕組み |
あんぱんが無性に食べたくなって、作っていますが、発酵を待ってる時間が長くて、なかなかありつけない。。

というのは、さておき、音楽院の卒業へ向けての仕組みは、少々独特なので、少し書いておきたいと思います。
基本的に、私の在籍しているBiennio、日本語でいう大学院は2年制、というのは日本、その他の国と一緒ですが、あまり皆2年に縛られていない様子。特に留学生は、ビザが出るので、だらだらいたい。
ほんの最近まで、学費を払わず卒業試験を先延ばしにして、5年くらいねばれたらしいのですが、最近は、入学してから2年と数ヶ月をすぎると、追加料金が発生するようになって、皆2年ちょっとで卒業するようになったようです。
基本は11月始まり。授業はたいてい通年か、いきなりはじまって10回とか5回、で終わるようなケースも。完全にケース・バイ・ケースです。どの授業をうけないといけないのか、どの先生にコンタクトするのか、とかは、各科の主任の教授に直接聞きます。ボーとしてると、授業が始まってて、かつ定員になって、来年来てね、という事態に。自己責任です。
で、最初の試験の山は、6月に来ます。でも、6月を待たずして、講義が終わってしまえば、先に試験が行われる学科もあります。特に講義系。
実技は、たいてい1年約20回ほどのレッスンを受けないと、試験が受けられないことになっているので、6月に試験が集中します。ただ、まぁ演奏活動で外に出てたり、外で既に教えてるとか、色々諸事情でレッスンの回数をこなしきれてなくても、先生が試験をパスできるくらいできてると判断すれば、基本は試験受けられます。今まで見た中では、韓国人のピアニストが年間確か2回!のレッスンで試験受けてました。韓国人は外で働いてたり、とそういう人が多いみたいで、先生もまぁいいやって感じなようです。
実技系は、皆たいてい最初の行われる試験日程でこなしますが、特に外国人生徒にとって大変なのが、講義系。それで、基本的に、試験を受ける準備ができてない、と自己判断すると、自分で準備できた、と思うまで、先延ばしがOKな仕組み。
6月をのがすと、9月、次は2月、と受けることができ、先延ばしにしたからといって、マイナスということはない。
で、試験は、全部口頭試験です。
筆記試験というものは存在しません!
ひたすら、話す話す。イタリア人は皆涼しい顔をしていて、中国人はたいてい青い顔している。
イタリアでは、子供の頃から基本全部口頭試験だそうで、これもずっと話している理由だと思われます。それから、私のイタリア語力の読み書きが、全然伸びないのも、そういうことをしないので、というのもあるかと思われます。(言い訳?)
今回、私もAnalisi delle forme compositive 日本語でいうと、作曲家の形式分析?の必修の試験を、これは簡単な論文を書き、かつ口頭試験もするのですが、1年時に講義を受け、ずっと論文を書けずに先延ばしにし、先延ばしにし、先延ばしにし、とうとう今回受けました。
講義の際に、先生は相談に個別にのるのですが、結局悩みに悩み、分析する曲を変え、先生にまた見てほしいと言いにいったら、生徒が多くて見きれない。自分でやってください、と言われ、参考論文を探し、自分でやるはめに。
結局、私の先生は、試験時、特に何も言いませんでしたが、他の試験官の先生から、「Non sono d'accordo. あなたの分析に賛成できないわ」と何度か言われ、今まで受けた中で一番最悪の点数でした。一応早めに一度論文を提出はすることになっていて、どの先生もご覧になっていて、先生のほうからやり直せ、という時間もとれなくはなかったのですが、それをするでもなく、勝手にやって、と言われ、点数も悪い、というのは、まぁイタリアあるあるなんですかね。これ以上先延ばしにしたくなかったので、その点数で結構でございます、と言って、退散しました。
いつも、この点数でよろしいですか?
と必ず聞かれまして、納得がいかなかれば、交渉したり、また次回のテスト時にやり直すことができます。未だになれない、この仕組。イタリア人は、ときと場合によって、交渉して、点数をこじあげるそうです。
なんだか、ポケモン?スタンプラリー?
特に、実技と直接関係ない科目は、卒業に向けて、必要なアイテムを少しずつ拾っていく感覚。
歌曲科の生徒のみを対象にしているものは、もう少しちゃんときめ細かく見てもらえます。そんなに生徒数もいないので、先生もよく把握されています。
歌曲科と、オペラ科と、コレペティ科の生徒が一緒にとる、ディクション(発音)のクラスは、ちょうどのその間で、生徒数が結構多くて、たいてい教室に入り切らない。先生が話しているのに、集中力がすぐ切れる、特に中国人とイタリア人がおしゃべりするので、先生がイライラする。(発音の先生は、イタリア人でないので、イタリア人のおしゃべりに耐えられない)
という感じで、先生方としては、人数も多いから、2つのクラスに分けて、ちゃんと見たいのに、予算の都合上許されないみたいで、先生方も大変なんだろうなと思います。ちなみに、韓国人は絶対授業中おしゃべりしないですね。日本人も黙ってますし、本当に国民性てあって面白いです。
学部レベルを勉強したマネス音楽院は、学費は今の3倍?4倍?くらい払いましたが、面倒見も3、4倍良かったですね。漏れ聞こえてくる話では、音楽院の経営はなかなか大変なようです。
音楽院によって、そして在籍する科によって、事情は異なりますので、これから音楽院を受けたい人にどこまで参考になるかは分かりませんが、とにかく最初にきちんと全体像を説明してくれるような人はいないので、自分で情報を取りに行かないといけない、ということは共通してますので、そのことは強調しておきたいと思います!
おまけ
やっと焼けたよ、あんぱん!

by sayakah626
| 2019-06-21 20:43
| 歌について
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