2018年 08月 12日
エルサレムの風 |
ミラノ戻りました。
あらら、暑い。暑い。暑い。。。何もしていなくても汗がでてくる。こんな暑い中で毎年どうしてたっけ。
8月はイタリアはバカンスのシーズン。ミラネーゼは、一斉にバカンスに行ってしまったようで、周りも閑散としています。
エルサレムは、高地にあり、砂漠の中にありながら、実は室内は涼しく、朝夜は寒いくらいだったので、ギャップが大きいです。
エルサレムは、こんなことがないといかなかっただろうし、とても奇妙な街だったのでちょっと色々書いておこうと思います。
ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の三大聖地と言われるエルサレム中心地ですが、それは壁の中のことで、市街は、ユダヤ教徒が一番多い。真夏でも、男性は白シャツに、黒パンツ、黒ジャケット、に黒いハット帽、そしてクルクルのもみあげ、だいたいメガネ、女性は長袖、長め丈の黒めのワンピース、髪型はミディアム・ロングに前髪ありヘアスタイル。たいてい子連れ(最低3人以上)か、かつ妊娠中。
全く見分けのつかない、同じ風貌の人が街を占めている。イスラエルの中でも、エルサレムはそういう人が多かったです。
ユダヤ教は産めよ、増やせよの考え方だそうで、敬虔なユダヤ教徒ほど、子沢山。なんと12人子供がいたりするらしい。一度、スーパーで、小さな子ども2人をベビーカーに乗せ、幼稚園から小学生くらいの子供5人を連れた夫婦を見かけましたが(つまり子供が7人)、子供5人がそれぞれ、あちこちウロウロするし、あれを食べたい、これを食べたいとそれぞれ父親に言っていて、収集がついてないような。果たしてどうやって育てるんだろうか。
そして、一番の街の特徴はシャバット、安息日。
毎週金曜の17時くらいから街は閑散とし始め、土曜日の日の入、正確には20時45分頃まで、街全体が安息日に入ります。
安息日というのは、働いてはいけない、なにかしてはならない、ということで、そうすると、バスもタクシーも基本的には止まるし、スーパーやレストランも全て!閉まるので、車を持っていなければどこにもいけない。汗
基本的に稽古はシャバットのとき休みになるので、つまり休みの日はどこにも出かけられない。汗
参加メンバーでアパートに引きこもるしかない。汗 (仲間がいてまだ良かった)
という週末を3回過ごしました。最初は、休み、ラッキー!と思いましたが、その後は、全然出かけられないお休み、というのは長かった。
安息日といっても、静かに寝ているわけではなく、単に外では労働してはいけません=家族の時間を持ちなさい、ということなので、アパート自体がうるさいのなんの。ドッタンバッタン、あちこちから子供の走り回る音に、叫び声も。笑
男女に分かれて、それぞれお祈りするそう。 私は、あまりの真剣な雰囲気に中に入れず、離れた観光エリアから見ていたのですが、ユダヤ教徒と思わしき女性が、あなたはユダヤ教か?と聞いてきました。モーセの十戒のことは知っているか、と。 全く知りません、と申し上げたら、あなたのお母さんはユダヤ教か?と聞かれ、いえ、全く、と答えたら、そしたらユダヤ教はあなたのものではないから、この宗教のこと知らなくていいけど、モーセの十戒のことを知っておくのはいい、と言って、パンフレットをもらいました。
勧誘とかそういうのではなくて、本当の信仰なんだなと感じました。 ちなみに、ユダヤ教は母親で決まるそうで、母親がユダヤ教徒だと自動的に、子供もユダヤ教になるそうです。
街そのものは、あまり掃除が行き届いておらず、というか、あまり掃除する文化ではないようであちこち汚かったんですが、なぜか治安は非常にいい。なんでだろうと思ってたら、モーセの十戒に、盗みをしてはならない て書いてあるんですね。キリスト教、というか、イエス・キリストの教えは、盗まれたらもっと与えなさい、という考え方なんで、イタリアはスリやスリをせざるを得ない貧しい人のことを、結局のところ許してしまう文化なのに対して、この場所ではそもそも盗みを禁じられているので、たとえお財布を道の真ん中に置いておいても、盗られることはなさそうでした。
さて、稽古が早めに終わった日の夕方に、旧市街の壁の中を2度ほど散策しました。
嘆きの壁。
今回のドンナ・アンナの衣装。パート1。相方、ドン・オッタービオ役のロシア人ルスランと。
私一人だけのこといいますと、これまでで一番よく歌えたと思いますが、今まで出たオペラの中で、それ以外は一番無茶苦茶でした。ここまでバタバタしたのは初めて。海風に煽られて、舞台設置が倒れてきたりするし。あるはずの小物が舞台にないし。
イタリアでやるときは、なんのかの言いながら、裏方がイタリア語わかってて、ちゃんと動きますからね、裏方の人材不足。真夏に、海辺の外での公演は、考えものですね。皆で汗びっしょり。終了後の衣装のぐちゃぐちゃ具合に、衣装さんが、本当に泣いておられました。
最後おまけ。
稽古のわきで、旧約聖書に出てくるオリーブの丘、にて、写真撮影に励むテナー君たちと、写真大会。
奥に見えるのが、エルサレム中心地の街並みです。
ここのお庭と建物はとても綺麗ですが、キリスト教系の管理だったからです。
常に風が吹いていて、エルサレムという土地の特別な「気」を感じました。
by sayakah626
| 2018-08-12 06:49
| いろいろ日常
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