2017年 10月 01日
ミラノの国立ヴェルディ音楽院に通います |
ご報告。
この度、ミラノのヴェルディ音楽院に合格が決まりまして、11月から通います。大学院の歌曲科です。
まだ入学手続きが終わっていませんが、、というのも通知メールが手違いで送られてこなかったり!登録に必要な情報が足りてないて言われたりで、まぁイタリアあるあるなのですが、まぁイタリアなので、なんとかなるでしょう。
ニューヨークのマネス音楽院でディプロマを取ってからは、もう学校はいいかなぁ、と思っていたし、この2年オペラばかりやっていましたが、逆に歌曲の世界ももっと深めたいと今年に入ってから思うようになり、受験に至りました。ビザの問題もありましたので、ミラノに腰を落ち着けて、もう少し勉強に専念できることがはっきりして嬉しいです。
受験は、受験そのものより、日本のイタリア文化会館での受験のための説明会への参加申し込み、のための手続き、から始まって、日本での説明会参加、大学の成績書のイタリア語訳を専門の方に依頼し、公証人に人生初、会いに行き、教授の連絡先を探してコンタクトをしたり、等など、そこに至るまでが大変でした。
来年もう一回受験する、などということは、手間がかかりすぎてもう考えられないので、一回勝負だなぁと思ってました。しかも、イタリアの音楽院は、なぜか一校しか受験できないシステム。オーディションは何度でも受けられますが、試験は一回きりだなと思うと、実技試験は、結構緊張しました。
試験は、なんと14曲用意せねばならず。
イタリアものが大好きで、イタリア歌曲をメインに勉強したい、と最初思っていたのですが、トスティやドニゼッティといった、私が一番やりたかった王道イタリア歌曲は、試験の指定範囲外でした。なんと。
必要だったのは、バロック1曲、モーツァルト時代1曲、ドイツ歌曲4曲、フランス歌曲3曲、英語など他言語1曲、1900年以降イタリア近代歌曲1曲、ウィーン楽派以降のドイツもの1曲、1945年以降の現代歌曲2曲。
最初はやりたかったジャンルは入らないし、さらに14曲!と聞いて、おののきましたが、色んな楽譜をひっくり返して、色々試して、夏の間コンサートで歌ったり、教授のところに持っていってアドバイスをもらったり、という作業は、案外楽しいものでした。
14曲の構成は、私の中で、盛り上がるタイプのもの、静かに内省的に歌うもの、の2種類を混ぜて作ったのですが、試験当日、先生方はとても嬉しそうに、内省的な、しっとりじっとり歌うものばかり5曲を選ばれ。
約20分ほどの実技試験でしたが、あんなにひたすら我慢我慢、でピアノでピアノ(おさえて)で、歌ったのは、人生初めてでした。ピアノだけで歌い続けるというのは、息とアッポッジョだけの勝負になりますので技術的にも難しいし、大きな声が出ることをアピールさせてもらえない、というのは非常に辛いのです。これは、オペラの世界でいかにしっかり響くか、ばかりを考えてきたのと打って変わって、これから2年間、しっかりもっと内側の、表現力を鍛えられそうだなと改めて思いました。
音楽院を通じて、新しいイタリアとの出会いもあるような期待をしています。
引き続き頑張っていきたいと思います!
by sayakah626
| 2017-10-01 04:25
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