ミラノに戻りました ベル・カントとはなんぞや |
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2016年 06月 04日
一ヶ月のウィーン滞在を経て、ミラノに戻りました。
ウィーンでは、わずか一ヶ月の間に、計7本のオペラに3つコンサートを聞きに行きました。世界トップクラスの演奏を、しかも4ユーロや5ユーロで聞ける、というのはウィーンならばで、色々な出身地、かつ様々なスタイルの、いま旬の歌手の声を聞けたのはとても貴重な機会でした。 イタリアは住みだしてまだ一年半ほどですが、でも戻るとほっとしますね。 イタリアのいいところは、いい加減なことは沢山あるけど、人が優しい、ということがあると思います。ちょっとしたことでも、人に余裕があり、気遣いや笑顔がまぶしい。 ミラノでこうなんですから、南に行けばもっとです。 私の最初のイタリア長期ステイは、トスカーナのルッカというところでしたが、そこで、私は完全に全面方位的にイタリアに恋に落ちました。当時NYで師事していた先生に、夏にルッカで講習会をやるから絶対に来なさい、と言われ、遠いなぁと思いつつ、一度まぁ行ってみましょうか、と思って足を運んだのが、最初のきっかけでした。飛行機を降りてローカル線を乗り継ぎ、ルッカまでたどり着くと、そこは中世のまま残っているような小さな小さな、城壁に囲まれた町で、あらまぁ地球の真逆に来たなぁと思ったものです。 私がその後イタリアに住みたいなぁと考えるようになったのは、要は伝統的歌唱方法ベル・カントとはなんぞや、ということをどうしても分かりたかったからです。NYで勉強していると、イタリアもの、フレンチ、ドイツもの、かつ英語のもの、全て均等にやります。何でも歌えないとダメです。よってスタイルが混ざりますが、でも何でもやってみたい!という人には、アメリカはお薦めです。ディクション(発音)も徹底してますし、強制的に何でもこなせるようにしてくれます。そういうプログラムです。 でも、元々オペラとはベル・カントから始まったはずなわけで、これを知らずして、歌をうたっていてよいのだろうか、と思うようになったわけです。逆に言うと、最初にNYに行かなかったら、イタリアには来なかったかもしれません。 でも、残念ながら、この私が期待していた、とりあえずイタリアに行けばそこらで聞けるんじゃないか、と思っていたコテコテの伝統的ベル・カント、で歌う歌手はもうあまりいないようです。これは意外な発見でした。 そもそもイタリア人で歌を生涯かけてやろう、なんて人は多分もうそんなにいなくて、音楽院でもアカデミアでもアジア人がマジョリティということも珍しくありません。とあるイタリア人の先生の弟子による演奏会があると聞いて行ってみたら、8割が日本人の生徒だったり、ということもあります。日本人の生徒が歌うイタリアン・アリアを、イタリア人(しかいない)の聴衆が、イタリアの教会で聞く。日本人がほぼ演じることのなくなってしまった歌舞伎を、日本人が喜んで観劇する、ということは将来起こる気がしませんので、イタリア人は許容性が高いです。 ただ、イタリアに来た収穫といえるのは、その黄金期の歌手たちを生で聞いていた人たちがまだ身近に沢山いる、ということです。 その熱心なファンは、今でも熱心に(彼らにとって)超若手のオペラを聞いて回る人と、今のは聞いてられないと言って過去の録音を聞くことに集中する人、と二手に分かれるように思います。 いずれにせよ、そのオペラを支えてきた聴衆のあの熱気、というのは、多分この土地に来ないと実感できないことでしょう。(それはウィーンともまた違います!)マリア・カラスを生で聞いていた、見ていた人に、私の歌を聞いてもらうのは不思議な気持ちもしますし、もっと頑張らないと!とも思いますね。
by sayakah626
| 2016-06-04 18:41
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